症例1:部分入れ歯(金属床+生体用シリコーン)
「何回入れ歯を作っても、噛むと痛い」。
調整しても、その場では良くなったように感じるものの、
食事をすると別の場所が当たって痛くなる…。
そんな状態を10年近く繰り返してこられた患者さんでした。
当院で作製した金属床生体用シリコーン裏装義歯(コバルトクロム合金使用)
残っている歯は比較的丈夫だったため、その歯にバネをかけ、
噛む力をバネとコンフォート加工部分の両方で分散して負担する設計としました。
歯ぐきに接する面に、生体用シリコーンがクッションとして貼り付けられています。
患者さんはもともと歯ぐきが痩せ気味で、普通の入れ歯では少し動くだけで痛みや傷ができ、
ほとんど噛めない状態でした。保険の入れ歯で調整を繰り返しましたが、
1週間も経たないうちに別の場所に傷ができる「堂々巡り」が続きました。
思い切って生体用シリコーンを裏打ちした金属床義歯を提案し、
約1か月かけて作製。装着当日、患者さんの第一声は 「先生、全然痛くありません!」でした。
調整の予約日になっても来院されず心配しましたが、後日、 「あまりにも調子が良くて、調整に行くのを忘れていました。久しぶりに気持ちよく食事ができています。」 と笑顔で来院されました。お口の中には傷もなく、わずかな調整のみで安定しました。
症例2:総入れ歯(生体用シリコーン裏装義歯)
来院前に使用していた義歯(上顎)
来院前に使用していた義歯(下顎)
この患者さんの「入れ歯お悩み歴」は15年。
調整しても痛くて噛めない状態が長く続き、どうしようもなくなったところで当院を紹介されました。
まず既存の義歯を治療用義歯として用い、約3か月かけて
生理的に適切と思われる下顎の位置を探りました。
そのうえで型取りを行い、新しい生体用シリコーン裏装義歯を作製しました。
新しい生体用シリコーン裏装義歯。ピンクのプラスチックと生体用シリコーンの境目が確認できます。
奥歯の高さも適切で、シリコーンとの境界がはっきり分かります。
粘膜面全体を0.75mm厚の生体用シリコーンで覆い、動揺を抑えるよう延長加工しています。
装着した瞬間の第一声は、 「先生、どこも痛くありません。こんなに軽い入れ歯は初めてです。」でした。
1週間後の経過では、 「痛くないので、右でも左でも奥でも前でも自由自在に噛めます。」とのこと。
わずかな噛み合わせの調整のみで、ピーナッツやたくあん漬けなど、
以前の義歯では噛めなかった食品にも挑戦していただきました。
その後は大きなトラブルもなく、「人生が楽しくなった」と話してくださる方が多くいらっしゃいます。