顎関節症とは
最近、顎関節症で悩む方が非常に増えています。 顎が痛い、口が開かない、カクカク音がする、肩こりや頭痛が続くなど、 日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。
院長の坂上は学生時代から顎関節症の患者さんと深く関わり、 長年にわたり多くの症例を治療してきました。 顎関節症治療は、現在では歯科医師としてのライフワークの一つとなっています。
審美歯科後に悪化する顎関節症について
近年、特に若い女性の方で、他県や海外で受けた 短期間での審美歯科治療後に顎関節症が悪化して来院されるケース が増えています。
高額な治療費を支払ったにもかかわらず、治療後すぐに顎の痛みや噛み合わせの不調が出てしまい、 治療の難易度が非常に高くなっている ことも少なくありません。
審美歯科は本来、患者さんの心と生活を豊かにする素晴らしい治療です。 しかし、噛み合わせや周囲組織との調和を無視した短期間の治療 は、 顎関節症を悪化させる原因となることがあります。
顎関節症の症状は「口が開かない」だけではありません
テレビや雑誌では「口が開きにくい」「顎がカクカク鳴る」といった症状がよく紹介されますが、 これは顎関節症のごく一部 にすぎません。
実際には、原因がはっきりしない漠然とした症状が多く、 自覚がないまま顎関節症を抱えている方も非常に多い のが特徴です。
顎関節症とはどんな病気?
専門的には次のように定義されています。
顎関節や咀嚼筋の痛み、関節雑音、開口障害などを主症状とする慢性疾患群で、 咀嚼筋障害・関節包や靱帯の障害・関節円盤の異常・変形性関節症などが含まれる (日本顎関節学会)
…正直、これでは分かりにくいですね。
要するに、 口が開きにくい/顎が鳴る/噛むと痛い/症状が長期間続く といった状態があり、場合によっては 全身症状にまで広がることもある病気 ということです。
自覚症状がない場合も含めると、潜在的な患者さんは非常に多く、 当院でも10人中7人ほどに何らかの顎関節症状 が見られます。
すべての顎関節症が治療を必要とするわけではありません
ご安心ください。 顎関節症の約7割は半年ほどで自然に改善する と言われています。
初めて症状を自覚した場合は、しばらく様子を見ても問題ありません。 ただし、 半年経っても改善しない・症状が悪化する場合は受診が必要 です。
治療が必要な残り3割のケース
顎関節症の本態は、 下顎の位置のズレ(噛み合わせの異常) が原因であることが多く、判断が非常に難しい場合があります。
特に厄介なのは、 自覚症状がほとんどないのに、下顎のズレが大きいケース です。
顎関節症と義歯(入れ歯)の深い関係
自費治療の義歯(スマイルデンチャー・金属床義歯など)を作れば必ず噛みやすくなる、 というわけではありません。 顎関節症が治癒した状態で作製した義歯の方が、保険・自費に関わらず噛む機能が良くなる という事実があります。
② 下顎の位置が安定してから型取り
③ 噛みやすく、長持ちする義歯が完成
顎関節症が残ったまま義歯を作ると、 どんなに高価な義歯でも噛み合わせが安定せず、 「噛めない入れ歯」になってしまう ことがあります。
顎関節症が引き起こす全身症状
顎関節症の患者さんに最も多く見られるのが、次のような全身症状です。
・肩こり ・腰痛 ・頭痛 ・生理不順 ・めまい ・耳鳴り ・不眠症
これらは以前から「顎関節症の代表的な付随症状」とされており、 治療によって半分以上が改善する ことが分かっています。
最近増えている「意外な症状」
近年では、顎関節症と一見関係がなさそうな症状が 治療とともに消失するケース が増えています。
・音が聞こえにくい
・頭皮のしびれ感
・指がむくむ、指が曲がりにくい
顎関節症が原因なのか、 あるいは偶然同じタイミングで改善したのか、 医学的に断定できないケースもありますが、 顎関節の不調が全身に影響する可能性 は確実に存在します。
顎関節症は全身に影響する可能性があります
これらの事実は、 噛み合わせの不調和が全身のさまざまな部位に影響を及ぼす可能性 を示しています。
今後の研究によって、顎関節症と全身症状の因果関係は さらに明らかになっていくことでしょう。